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・歴史
機竜が戦争の表舞台に現れた歴史はあまり深くない。
第三次世界大戦の停戦協定と前後して、捕獲された竜の体内から特殊な金属が発見された。この金属は可鋳性・耐食性に優れ、酸化しづらい性質を持っていた。加えて、他の金属と結合すると爆発的に靭性を増すことが発見され、合金の素材として注目が集まった。この時点でこの金属はドラゴニュウムという名前で広く知られる。
同じころ地球最強の生物である竜を兵器に転用させるプロジェクトが進んでいたが、このドラゴニュウムをモルモットの狗竜の皮膚に結合させて出来上がったのがDG-01である。その戦闘力は従来の戦闘機の常識を無に帰すレベルのものであり、機竜は世界中から評価された。
だが問題点も山積みだった。竜が人間同士の戦いに使われることを嫌ったことや、搭乗者にかかる変則的なGの問題で、一流のライダーしか扱えない代物だったことが挙げられる。
そこで脳の思考回路を強制的に書き換えるプログラムの開発が急がれ、その開発が済むまでの二年間は機竜プロジェクトは凍結することとなる。
さらに、竜の強烈な動きを制動するための大径スラスターとそれに耐え得るエンジン、固くなった皮膚の動きを滑らかにするための体内潤滑油循環システムなど、まともに扱えるようにするためのバックパックパーツが揃うまでに五年の月日を要した。
そこからさらにコストダウンをはかり、量産化がなされたのはE.E.20のことであった。
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