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「ふぅ」
会場から離れたところにある喫煙室に俺たちはいた。
「じゃあ、今日行われるのはあの娘たちのオークションなのか?」
俺は山崎に率直に聞いた。山崎は煙草をふかした後、得意気に答えた。
「そうだよ
あの娘たちは今から売られるんだ」
「なんだよそれ
人身売買だし、どう考えても未成年じゃないか」
「未成年つっても彼女たちはアンドロイドだぜ
人権なんてねえし、警察も介入できないのさ
あと、締まりもあの年代の娘と同じらしいぜ」
山崎はニヤニヤしながら言った。正直、腹が立った。
「お前も買うのか?」
「はは!無理無理!
一体、何千万もするんだぜ」
「ん・・・ぜん・・・」
「まあ、中古でそれだけどな
新品はピンキリだが、高いので億はくだらないってさ」
億か・・・
まあ、彼女たちを見れば納得はできる。あれだけ精巧に作られているうえに感情もあるんだ、それぐらいはいくだろう。
「へへ」
山崎が奇妙な笑みを浮かべながらパソコンを取り出した。
「これ見てみろよ
驚くぞ」
山崎はmaidloid.aviという動画ファイルをダブルクリックした。
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