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どこから手に入れたのか、友人は入場用のパスポートのようなものを警備員に見せ、ビルの中に入った。
ビルの中をしばらく歩くと会場についた。
そこはかなり広い会場で、人もかなり入っていた。
周りを見回せば、案外家族連れも多い。
ただ、一つ気になったことがあった。
それは、少女たちのほとんどが首輪のようなモノを付けていたことだ。
最近の若い娘の間では流行っているのだろうか。
「おっさっそくいるじゃん」
友人の山崎は目を輝かせながら言った。
「いる?なにが?」
「メイドロイドだよメイドロイド
へえ~めちゃくちゃ可愛いな」
えっ?
「いるの?どこに?」
「ほら、首輪付けてる女の子いるじゃん
あれあれ」
俺は、さっきの家族連れと思っていた女の子を再び見た。
いかにも金持ちって風貌の中年のおっさんの横でビクビクしていた。
確かに可愛い顔をしている。
ていうか、人間そのものだ。
あれで、アンドロイドかなんて分からない。
だが、彼女はなにかに怯えていた。
体も小刻みに震え、主であるおっさんの顔色ばかり伺っていた。
「な!すげーだろ!あれ!
人間みたいだろ!
まあ、犯罪臭い並びではあるけど」
山崎は楽しそうだった。
正直いうと俺も、あんなに人間そっくりだとは思わなかった。
だか、彼女のあの怯えた瞳が、俺の心に引っかかった。
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