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黄色の瞳。それが私のコンプレックスと言うか、“普通”じゃないという証だった。
左目の色が“普通”と違う、それだけで、周りからは白い目で見られた。
だから、人が集まる場所は嫌いだった。学校も同じ。
友達と呼べる人なんて、一人もいない。人でなくても、一人もいない。
酷いいじめを受ける訳でもなければ、目に見えて罵られる訳でもない。
ただ、周りは私から離れていった。
だからいつも私は“独り”で。でも、不思議と寂しさは感じなかった。
どこかで、諦めていたからかもしれない。
『私は、“普通”じゃないからだ』って。
いつからか、私は何も感じなくなった。
私の中から、全てがなくなった。軽くなったような胸は、何も感じない。
それって、“人間”って言えるのかな。何も感じないのは“物”と一緒。
じゃあ私、なんのために人間として生まれてきたの?
なんのために、ここに存在(イル)の?
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