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…女が倒れている。しかもおかしな格好をした女が。
非番で、珍しく散歩に出てきたら不思議な女を見つけた。
……異人か?見た事のない着物を着ている…生きているのか?
女の顔を覗き込むと、静かな寝息が聞こえた。
……道で眠る女とは初めてだ。とりあえず、放っておく訳にもいかない。
屯所に運ぶか。
おかしな格好の女を自分の部屋に運び、布団に寝かせた。
全く起きなかったな、この女。というか何故道で眠っていたんだ?
格好といい、本当におかしな女だ。
未だ眠り続ける女の顔は青白く、具合でも悪いのかと思う程。
細く、軽い体。青白いが、綺麗な顔立ち。
おかしいという部分がなければ、かなり美人……って、俺は何を考えているんだ。
……この女、土方さんに報告した方がいいのか?いやでも起きてからの方が…
「う……ん…?」
「あ、目が覚めたか?」
ゆっくりと目を開けた女に問いかける。だが、女の目は大きく見開かれた。
……この女…左目の色が黄色…やはり異人なのか…?
…綺麗な瞳だ。
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