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屋上への扉を開けると街を一望出来る用になっていた。英雄が住む街、英雄が守った世界。
「英雄はこの街のどこかにいるのね」
英雄の事を思うと胸が高鳴る。会った事もないしどんな人かも解らない。
人に言えば笑われるかも知れない。それでも思う。会った事もない英雄に恋をしていると。
ふと視線を動かすとベンチに腰掛け煙草を吸っている男性が目に映る。
男性は哀愁を漂わせ煙草を吹かし街を眺めていた。
この男性との出会いは運命だったのだろう。
「健康面の為にある医院で喫煙はどうかと思うんだけど」
私は無意識の内に男性に話し掛けていた。
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