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シェリーに腕を引かれ腕と腕が密着するほど近づく。シェリーを挟むようにセシルが陣取っていた。
「ラーズさんもシェリーさんも大きいからちゃんと入るかなぁ」
カメラを持つ右手をピンと伸ばし三人が入るようにカメラを構えるセシル。
「私は別に大きくないわよ、セシルちゃんが小さくてラーズが大きいだけよ」
「成人の男なんてみんなこんなもんだろ」
少し呆れながら呟くとシェリーは腕を絡ませてもっと寄れと言う様に引いてくる。
「そんなもんかしらねぇ?セシルちゃんは間違いなく小さくて可愛いわ」
「小さいけど可愛くないです!可愛くないです!」
可愛いと言われ真っ赤になるセシルに可愛いと言いながら頭を撫で回すシェリー。
「セシル撮るなら早く撮れ」
「うぅー……じゃあ撮りますよー。3,2,1」
カシャっと音を鳴らすと同時にフラッシュが起きる。直ぐにちゃんと写っているか確認するセシルを余所に検診結果を見る。
前回の検診の時より幾分悪いが余命が近づいているのならこんなものだろう。
見終えた結果を手の平に乗せ火を付けると一瞬で灰になり風に揺られ消えていく。
俺の身体の事は俺と担当医しか知らない。他の者に知らせようと思わないし必要もない。
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