Before that

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右手に持った槍から伝わる肉を突き刺す感触。 腹部には鋭い衝撃。痛みは感じない、ただ熱い。 突き刺した槍を抉り深く押し込む。一瞬で核に到達した穂先は核ごとその身体を突き破る。 断末魔の叫びをあげる事なく塵になる魔神と呼ばれていた化物。 勝った。俺の勝ちだ。やっと、やっと終わる。 安堵した途端に身体中に痛みが走る。 着けていた防具はその効果を発する事なく魔神の一撃で粉砕された。効果を発したからこそ、防具が粉砕されただけで済んだのかもしれない。 全身傷だらけな上に右脚は腿の途中から千切れかけている。それでも勝ちだ。これで終わったんだ。 遠くから歓声が聞こえ、仲間がこちらに駆けてくる音も聞こえる。 空を仰ぎ見るがその反動すら身体は支える事は出来ず倒れ込む。 駆け寄る仲間の声を聞きながら意識は途切れた。
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