10:とある戦争(バトル)の大将旗(死亡フラグ)

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「ひーくん!一位!一位!」 褒めて褒めてと言わんばかりに飛びついて来る姉さん。犬なら十中八九、尻尾をぶんぶん振っているだろう。同時に突き刺さる視線!ヒャッハー!傍から見るとマジリア充!爆発しろ俺! 「あのー姉さん?一応わたくし達は敵チームな訳で…あまりこういうのはどうかと…」 俺がやんわりと引き剥がそうとすると、はい誰もが予想出来た展開。 「…周りなんていいもん。ひーくんは…嫌?」 「あばばば」 はい男がなんて答えたらいいのか不明な質問来ましたーっ。 「嫌じゃ無いけど…不味い」 「そんなぁ…」 と悲しそうな顔をしながらも結局は離れない姉さん。 「そう不味いの。だから離れましょうねっ!」 と、そこに後ろから伸びて来た手が俺達を綺麗に引き剥がした。 「り、燐火!」 「…私もいるぞ」 「火織姉!」 声に振り返ると、笑顔に怒りマークを貼っ付けた燐火と、運動用だけどちょっとオシャレで涼しげ(露出多め)な出で立ちの火織姉が立っていた。 「あたしが火織姉を迎えに行ったの!」 「グラウンドの場所は覚えていても、お前達の席までは分からないからな」 そうドヤ顔で説明する二人を他所に、ソロソロと近付いてくる姉さん。 「くっ!」 ガスッ 「ななじゅうにっ」 だというのに、燐火のローキックで地に手を付くのは俺。不条理な世の中だ。 「早く次の競技行くわよ!ヒヅ兄も出るでしょ!」 「…うん」 動物が引っ立てられるかのごとく連れていかれる。これが噂の激おこぷんぷん丸とやらか。 「帆乃火の世話は任せろ」 「私ペットじゃないよぉ!あ、でもひーくんのペッ」 俺はそのセリフを最後まで聞く事無く、招集場所に向かった。 「…ま、全く入り込めなかった…恐るべき姉妹だよ…」 ーーーーーー 《第二競技:100m走》 「なんだ、燐火も走るのか?」 入場門の少し手前。暇なので隣にいる妹に問いかける。 「なんか簡単じゃない。走って終わり」 「はは、お前らしいよ」 サバサバしてる燐火らしいといえばそうか。俺がそう笑うと、突然燐火は頬を染めて俯いた。 「あ、あの…ね?だから、これで一位になったらごにょごにょ」 「んー?聞こえないし、呼ばれてるから行くわ」 俺はもじもじと何か言いたそうな燐火と別れ、二年生レーンに移動した。 「もー!最後まで聞きなさいよーっ!バカーッ!」 『う、碓氷さん話なら俺が』 「ふんっ!」バキッ 『ごほうびっ』
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