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『続いて、今回の影の功労者の一人!全権を委ねられ、私達の頑張りを考慮して開催に踏み切ってくれた人物!校長先生よりお言葉を賜りたいと思います!』
先輩のコールと共に、いつも通りの笑みを浮かべた校長が壇に登る。静まり返る生徒。
『…ふふ。普段もこれくらい静かなら良いんですけどね』
そう前置いてから切り出す校長。あの、普段はあなたの話が長いからです。
『えー、今回は前日に雨が降るというハプニングがあり、開催自体が危ぶま…え?長い?巻きで?…はいはい。では二言だけ。一つは、もう一人の功労者。皆さんは誰かはもちろん知っているでしょうが…2年2組の碓氷火塚君。彼に惜しみない拍手を!』
「ちょ、この展開は予想外です!」
様々な所からよくやったやありがとうなどと言った声が飛び交う。正直こんな形で褒められるとは全く思ってなかったので、対応できない。や、止めろ!褒められ慣れて無いんだ俺は!俺を、俺を褒めるなぁっ!
『そして、最後に。私は、今回の昨日のみんなの頑張りから、まさに青春と若さの力という物を見せてもらいました。…これだけは自信を持って言えます。我が校の校長をやっていて、人生で一番良かったと。君達が生徒である事を…誇りに思うと!』
『おおおおお!!』
一斉に沸くグラウンド。あちこちから校長コールが掛かる。…最初は、何だこの話の長いハゲは程度の認識しか無くて本当にごめんなさい。俺たちも…あなたの生徒である事を誇りに思います。
『…ありがとうございました。それでは、続きまして…』
そう、ここが俺の出番。今日の成功がかかっているとも言える。
『選手、宣誓!選手代表、碓氷火塚!』
「はいっ!」
ーーーーーー
(♪~昨日までの~♪時を超えて~♪繋がるはずの~思い~♪)
ピッ
『もしもし』
『もしもし?ヒヅ?』
『飛鳥先輩?どうしたんですかこんな夜に。…!まさか明日について何か問題が!?』
『ち、違うよ!そんなに力まなくて大丈夫だって!』
『…ふぅ。そうですか』
『電話したのはね?ヒヅに選手宣誓してもらおうと思って♪』
『選手宣誓ね…って、はぁ!?』
『じゃ、突然だけど考えて置いてねん♪お休み!愛してるよ☆』
『ちょ、まっ!俺の負担が…』
ツー…ツー…
『…』
ーーーーーー
(…とまぁ昨日の夜は散々だったけど)
良く考えれば選手宣誓なんて定型文だ。困る事は無かった。後は自信を持つだけだ…!
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