10:とある戦争(バトル)の大将旗(死亡フラグ)

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ーーーーーー 「準備はええか皆?」 『はーい!』 入場門をくぐり、既に足は紐で結ばれている。私が走るのは六走目。グループは先頭が朧ちゃん、二番目が私、後ろに三人だ。 ルールは縦に五人でグループを作って横の紐に足を結んで200mトラックを半周する。男女合同だが、流石に同じグループ内に男女は無い。 「気合い入ってるね、朧ちゃん!」 いっちに、いっちにと足踏みを揃える練習をしながら、先頭の朧ちゃんに声を掛ける。 「当然!ここで勝てば出番が!」 フンスと鼻息が漏れそうなくらい奮起している朧ちゃん。…でもね、負けたくないのは私も一緒なんだよ。 《スタート!》 「始まったで!気ぃ締めぇや!」 回ってくる一走目。一組は…三位!それなりだ! 「…」 同時にあっちゃんのいる二組の順位を見る。五位。全然行けるよっ! あっちゃんが走るのは五走目。直接対決が無かったのは残念だけど、どこかで当たらなくて良かったと思う自分がいる。 「四走目や!」 そうこうしている間にレースは動く。もう走順は四番目に渡っており、順位は一位が五組、二位が私たち一組、三位が三組、四位が二組、五位が四組。お互い一つづつ順位を挙げて後半戦へ。 「っ!行くよっ!」 『いちに、いちにっ!』 「…速い!」 あっちゃんグループに渡った瞬間、勝負は動いた。それまで僅差だった差を一気に詰め、抜き去る。これにより二組は一組に迫る三位になり、とうとう私達へのパトンパス間際まで勝負はもつれ込んだ。 「頑張ってぇ!」 『会長の御胸が揺れる!』 『男子うっさいキモい!』 そしてお互いのバトンパスが終わり、やや二組リードでスタートした、瞬間。 『うぉっ!?』 「ちぃっ!」 差が詰まって焦っていたのか、二組の男の子達が体制を崩し派手に転倒。三位以下を巻き込む大混戦に。でも、それを避けようと頑張った朧ちゃんに後ろの私達が着いて行けず、大混戦の少し先で私達も倒れる羽目に。 「痛ってて…だ、大丈夫か皆!」 『行けるよっ!』 「うん!私もって…」 「どうしたんやほの…か」 もつれ込むように倒れた私達。横を向いて倒れている朧ちゃんに覆い被さる私。その顔の距離、推定七センチ。 「「あ…っ」」 朧ちゃんの少し勝気に整った顔が目の前に。驚きに見開かれた口と目は、その赤い頬と合い俟ってとても艶かしい。 …何だろう。レースの途中なのに…凄く、ドキドキする。
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