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「あ、帰ってきたんだね!大丈夫だった?」
「琴。そっちこそ大丈夫?」
「もっちろん…って、わぁ!?奏が通った後がヤバイんだけど!?」
私は後ろを振り返る。そこには行く手を阻んできた刺客たちが死屍累々と転がっていた。(注:女のコだよ!)
「そっちはどんな感じなの?」
「それが…自陣の籠に球は入ってきて、あと一歩で勝てるんだけど…敵にたった一人で前線を押し上げてる子がいて…」
「…そんな猛者が敵に?」
私は味方が戦争真っ最中の前線へ駆け上がり、敵を見た。そこには。
「この程度じゃ、アタシは倒せなーいわよー!!」
「げぇっ!?貂○!?」
そこにはそう。まさに一人の漢女(おとめ)が立っていた。三国志演義では傾国の美女なのに、なんであんな事に…!
「あーら、可愛い子発見♪」
「…え?私?」
辺りを見渡すが、完全に彼女?の目は私をロックオンしていた。
「あなたの瞳に心奪われたわ!あたし、強いオトコもオンナも好きよ!そう…まさしく愛ね!」
「今度はハムさん…キャラに一貫性を持たせなさいっ!」
ヒュン!私はそれ以上何かを言わせないために玉を投げた。が、
パシッーー
「……」
「…良い玉ねぃん」
この数分で鍛え上げた玉は、筋肉ダルマにいとも簡単にキャッチされてしまった。
「…このままじゃ埒が明かないしぃ、交渉と行きましょうか!」
まだ若かりし頃の若○ボイスで語りかけてくる…名前の分からない漢女。何様で、何組よ。
『そちらの要求はなんだ!』
「あっれーここは私が答える場面じゃないのかなー」
と思ったら他の自軍で指揮をとっていた人が語りかける。…まぁ、なんでもいいですけど。
「そうねぃ…あの子!」
ビシッと彼女が指差した先には、まさかの火塚くんが。ってこっち見てない。なんで観戦してくれてないのよ。私を!
「あの子を、アタシに献上してくれるなら、この籠をあげるわ」
ーーーはぁ?
「だ、ダメだよ!あの人だけは」
バツン!
琴が何かを言い終わる前に、私の手の中の玉が弾けた。
「あなた…名前は?」
『おい!新垣!一人で何を!?』
味方の驚く声を背に、一人前へ。彼女に名前を尋ねる。
「剛力山女魚(ごうりき やまめ)よ」
ザッーー
「私は新垣奏」
ザッーー
「そう。奏…何の用?」
ザリッ!
「剛力山女魚。あなたは私を怒らせた」
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