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ジリリリリリ
「……」
ジリリリリリ
「う…んぅ…」
ゆっくりと目を開けた少女は、
うるさく鳴り響く目覚まし時計
を止めた。
「ん~…」
少女は軽く背伸びをして布団
から出た。
そしてカーテンを開ける。
「…眩し」
眩しそうに目を細める少女の
名前は佐倉 葵(サクラ アオイ)
どこにでもいる「普通」の
女の子だ。
葵は、勉強机の上に置いてある
眼鏡をかける。
そしてリビングへ向かった。
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葵はリビングの扉を開けた。
「おはよう葵。」
葵に気づいた母親が、朝食を
テーブルに並べながら声を
かけた。
「ん。おはよ」
葵は適当に返事をして、椅子に
座った。
「……」
ソファーに座って新聞を読む
父親はずっと無言のままだ。
「お父さん…ご飯できたわよ
。」
母が冷たい声でそう言うと、
父は新聞を置いてソファーから
立つ。
そして椅子に座った。
「…いただきます」
葵はそんな両親を横目で見て
朝食を食べ出した。
「「「………」」」
相変わらずこの家族には会話が
ない。
父と母は一回も目を合わせない
まぁ、いつ離婚してもおかしく
ない状態だから当たり前なのだが。
葵は黙々と朝食を口に運ぶ。
3人の間には、箸と茶碗が
ぶつかる音だけが響いていた。
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