俺と魔王と入学式

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倖先生と千里先生が宙に浮いていた呆然としている5人を教室の中に引っ張り込む 「あー…お前ら大丈夫か?」 足場も命綱さえ無い状態で宙に浮いていたのだ、大丈夫な訳が… 「た、楽しかったー」 …一人はそうでもないらしい 温和しそうな女の子は口に手を当て感嘆の声を漏らしている 他の4人はまだ口を半開きにしてぼーっとしている 「凄いなぁ、この島に居る半数がこんな力もってるんだぁ…」 凄く眼キラキラさせてるよ… 「おら、お前らしっかりしろ! 楽しみにしてたんじゃなかったのか!?」 楽しんでるの一人いるけど… 「楽しみに…ですって…?」 転校生の中のサイドテールの女の子が呟いた とても小さい声だったが席が一番前な為微かに聞こえた 「楽しみにしてたのはコイツぐらいよ 誰が好んでこんなとこに来るのよ」 …すっげぇずたぼろに言ってくれるじゃないの まぁ普通の人間なら当たり前の反応ですよ 俺にはそれが分かる…気がする なんだよ気がするって、自分の可笑しさに苦笑が漏れる それがいけなかった 俺の苦笑に気づいた苦情を漏らした女の子が突っかかってきたのだ 「そこのあんた、何がおかしいのよ」 「ん、俺?」 「あんた以外誰も笑ってないわよ」 「妾も笑っておるぞ?」 ちょ、ちょっと真緒さん? 真緒を見るとニヤニヤと笑っている やばいケンカ売る気だ…止めないと 「…何、ケンカ売ってるの?」 「妾が御主に? なかなか冗談がうまいのう、人間如きが妾とやり合えると思うておるのか? 更に言えば御主とケンカしたにしても余興にもならんわ」 「そういうのがケンカ売ってるって言うんだよ!」 軽く隣の席の真緒を叩く 「いたい! 何をするんじゃ!?」 「ごめんな、俺が笑ったのは君が昔の俺に似てたからで君を馬鹿にしたかった訳じゃないんだ コイツの言う事は余り気にしないでくれ コイツは大体嘘しか言わない 自分が楽しくなるように話を持ってこうとするんだ」 「…私が君と似てるって?」 後半スルーは正解だぜ君 真緒もつまらなそうにぶすくれている 「俺も昔はこの島が嫌いで妖怪の類なんかと過ごせるかー!!って思ってたってこと まぁその話は後でするとして自己紹介…しないか、倖先生?」 今までポカンとして黙って居た倖先生は俺の言葉で気を取り戻した様だ 「そうだな!じゃあ自己紹介と洒落込もう!」 洒落込む…?
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