始まり

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ーー早朝ーー ピピピッピピピッピピピ 「うるさいなー。」 と言いつつアクビをしながら昨日セットしたアラームを消す。 「用意しようかねぇ。」 半分寝ぼけた頭と、うるさいと言いつつ切ったアラームに感謝しながら風呂場に向かう。 風呂場へ入ると機械的な音声が流れた。 「おはようございます。シャワーの温度と浴槽の温度をお願いします。」 その機械音声に寝ぼけた頭で応える。 「んあ、シャワー40、浴槽はぁ42でぇ。」 「かしこまりました。」 機械音声はそれっきり無く浴槽にはお湯があっという間にたまる。 それを横目で確認して、ジャーとシャワーを浴びながら湯けむりが風呂場に立ち込める中、身体を洗い浴槽にゆっくり浸かる。 「あ、あ~。」 身体が芯からあったまるなぁと、思い目が覚めてきたオレは昨日の事を思いだす。 「昨日の美人は誰なんだろう…。」 結局名前も聞かないままだったしこの辺りで見た事ないなぁ。 あれだけ美人なら一度見たらたぶん忘れないし。 まぁでも今日はSecond Worldがやっとできる。 とりあえず美人は置いておこう。 誰が言ったか風呂場とトイレは考える場所とはよく言ったもので、最近はSecond Worldが頭から離れず考える事が尽きなかったが、風呂場とトイレは尚更だったな。 意図してないにも関わらずなぜか考えてしまう。 そういえば、この前Second Worldの事を考えていて1時間以上風呂に入ってたら母さんが慌てて風呂場にきたな。 その時はさすがに全身ふやけてて、母さんにはあんたは昔から考え出したら止まらないのねって嫌味を言われたっけ。 自分でも注意はしてるんだけどSecond Worldはなんと言うかスケールが違う。 あんまり考えてたら今度は遅刻して虎になにか言われそうだ。 そう思い苦笑して風呂場から上がる事にした。 身体を拭いてバスタオルを巻いたまま自分の部屋に向かう。 階段を上がった所でキャアッという悲鳴に近い声が聞こえた。
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