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「ありがとうございましたー!」
後ろから店員の声が聞こえたが気にせず歩く。
横では目を輝かせてSecond Worldの専用機器が入っているであろう、包装された箱を興奮気味に見ている少し痛い人物がいる。
「なあ。虎嬉しいのは分かるが隣で箱に頬ずりするのはやめてくれないか?」
虎は箱に頬ずりしながら口を開いた。
「シンは落ち着き過ぎやで~。こないに待ち遠しかったゲームを普通に持って帰れるわけないやろ。」
確かにオレも喜びの気持ちを叫びながらスキップして帰りたいぐらいの気持ちだが。
そんな醜態を公共で晒すほど理性を壊してはいない。
「気持ちは分かるけど……そういやぁ、この後の予定だけど家に帰ってダイブしたら虎か、オレか先に早かった方が会いに行けばいいんだろ?」
虎の気持ちが分かるが治りそうもないので話題を変えた。
虎は大きく頷く。
「ただ、最初の場所が一緒とも限らんしなぁ…。
まぁ、とりあえずはフレンド機能あるしゲームの中で名前検索しようや。」
「りょーかい。じゃぁまた後でな。」
短く応えると虎とは道が違うので駐輪場に置いていた自転車に乗り、帰路に着く。
行きと同じようにペダルをこぎながらオレはまたもや考え事をしてしまう。
キャラ名聞いてない…。
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