トーナメント

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自分の声が機械の光だけが照らす一室に響き渡った。 「なぁ…おぃ…」 フラフラしながらもゆっくりとカレンが眠っているカプセルへと歩いて行く。 「聞こえてるだろ…?」 機械のガラス越しに見えるカレンの顔。 「母さんが待ってるぞ?うちへ一緒に帰るんだ…。そう約束したじゃないか…。 早くこんなゲームクリアしてうちへ帰るんだ…。」 語りかけるオレの言葉にカレンはただ目を瞑り沈黙を返すのみだった。 「怪我を……怪我をしたらカレンが治すって…約束しただろ……。 これからもそうしてくれるんだろ…。いつも強がって…自分の怪我は後回しにして……なぁ!なんでだよ!いつもみたいに強がってくれよぉ!なにか言ってくれよぉお!」 悔しくて、哀しくて涙を止める事すらも忘れてオレはただカレンに語りかけた。 「母さんになんて言えばいいんだよ! オレは……オレは……オレははぁぁぁぁあ…クゥッ……」 「神威さん!」 全身から力が抜け、気付けば身体が地べたと並行になっている。 違う…。これは現実じゃない…。 認めない。約束したんだ…。 一緒に帰ろうって…。 今まで必死に頑張ってきたんだ…。 気持ちとは裏腹に意識がだんだんと薄れ、看護婦さんがなにかを叫んでいるがなにを言ってるのか分からない。 こんな…こんな…終わり方は…絶対に認めない……。 それを最後にオレの視界がブラックアウトした。
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