トーナメント

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カレン以外にも……。 「戦士とは現実を一番知っている者です。 あなたが本物の戦士なら受け入れて前に進みなさい。」 違う……。オレは戦士なんかじゃない…。 ただ両手で抱えられるだけの人を守りたかったんだ…。 そんな事も出来ないなんてっ…。 気が付けば、血が滲むほど両手の拳を握り締め黙って姫様はオレの両手を見ていた。 「私が言えるのはここまでです。あなたが心身共に回復する事を祈っています。」 そう告げた姫様は立ち上がり扉へと歩き始めた。 どこにぶつけていいかも分からない怒りと悔しさが消える事なく心を掻き乱していく。 どうして…どうしてカレンなんだ。 オレが守ってやれなかったからか? カレンは守るって約束したはずなのに…。 くそ…くそ!くそ!くそ! 「うわぁぁぁぁぁぁぁあ!」
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