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ある晴れた日のこと、教室の隅の机で物思いにふける少年が一人。
手元には長方形の紙が何枚も散乱している。
彼の名前は夏野。
手元にあるのはとあるカードゲームだった。
”デュエルモンスターズ”通称”遊戯王”
もともと日本発祥のカードゲームだが、今や海外にも熱狂的なユーザーをもつ大規模なカードゲームだ。
むしろ、大人になる課程でカードゲームを否定していく日本よりも人気があるのが事実。
また、縛りが薄く、自由度が高いのも人気の理由だろう。
夏野は知人に勧められたことで、そんなカードゲームに手をつけたのだった。
しかしまるっきり初心者な夏野はデッキを組むのにも一苦労だ。
なにせ何が強くて何が弱いのか、彼には全くわからない。
知人から適当にカードをもらっただけなのだ。
アニメなどが放送されているカードゲームなので、彼も簡単なルール程度は覚えている。
・デッキ(所謂山札)は40枚から60枚のカードで構築され、同名のカードは3枚まで。
・モンスター、魔法、罠の3種類のカード分類がありそれを組み合わせて一つのデッキ作る。
・融合モンスター、シンクロモンスター、エクシーズモンスターはデッキとは別にエクストラデッキという専用のデッキに入れておき、使う際にエクストラデッキから直接フィールド(場)に出すことができる。枚数は15枚まで。
覚えている情報を引き出し、それを念頭に置いてカードを選んでいく。
悩みに悩んで、彼は一つのデッキを組上げたのだった。
気づけば日が暮れ始めている。
「やっべ!」
カードを仕舞い込み彼は教室から飛び出した。
――それは偶然だった――
――偶然から始まったそれは――
――彼を――
――彼らを――
――戦いの運命に引きずりこんだ――
~おいでませ、カードショップ-わらじ- 第一部 新たなるデュエリスト達~
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