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「ほら、お前ら約束は約束だ。どいたどいた!」
そう言うとコタ君はうっとうしそうに茂部先輩達をにらみつける。
「覚えてろよ!!」
捨て台詞を残し、茂部先輩とその取り巻きはぞろぞろと帰っていった。
完全に負け犬の台詞である。
「で、なつのん。デッキは出来たかい?」
コタ君は擬音が付きそうなほど胡散臭い笑みを浮かべて僕に問いかけてくる。
「まあ、一応ね。」
本当に一応だ。
「じゃあ、ものは試しだ!」
そういうとコタ君は先ほどまで茂部先輩とデュエルしていた場所へと僕を促す。
「早速やってみようか。」
コクリとうなずき、お互いにある程度距離をとる。
カードを置く板のついた機械を腕につけお互いのデッキをセットすると自動でデッキがシャッフルされた。
さすが最新機器。
「夏野は初心者だから説明しながらやろう。」
僕に対する呼び方が変わるのはいつものことなので気にしない。
それにしても説明しながらやってくれるのはありがたい。
「「デュエル!!」」
コタ君と僕のデュエルが始まる。
「お互いのライフポイント、つまり命は8000ポイント。デュエルは先に相手のライフポイントを0にした方が勝利となる。
特殊な条件で勝利になるパターンもあるが……それは後にしよう。」
基本的な内容を言ってくれる。
ありがた迷惑かもしれない。
「まずはデッキから5枚のカードを引く。これは最初の手札だ。」
「それくらいは知ってるよ。」
お互いに5枚のカードを手札に加える。
まずまずの手札かな?
「先行は夏野にあげるよ。」
ひらひらと手を振りながらそう言うのでありがたくもらおう。
「まずはドローフェイズ。毎回ターンの始まりにデッキの一番上からカードを一枚引くんだ。」
「知ってるってば!ドロー!」
力強くカードを引く。
引いたカードは、E・HEROワイルドマン。
夏野の手札
E・HERO ワイルドマン
音速ダック
ハウンド・ドラゴン
チューン・ウォーリアー
鎖付きブーメラン
収縮
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