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「では、宜しいですか姫?私との約束事を復唱して下さい」
「はい」
皆さんの所へ帰る道中、一華さんに約束事を決められてしまいました。
何でも、人生を安全に生きる為の対策なのだそうです。
安全は大切な事ですよね。ですので、しっかり守りたいと思います。
しかし、納得いかない部分と言いますか――子ども扱いされている部分があるような気がして、少々不満です。
そう思いながらも、一華さんと決めた約束事を復唱します。
「一つ。知らない人には付いていかない事」
……やはり、子ども扱いされていますよね?
一つ目からして当たり前と言いますか、これは小さい子どもに言い聞かせるような事では?と――まぁ、いいです。
…因みに、道案内くらいは知らない人に付いて行った事にはなりませんよね?
セーフだと思っていいですよね?
チラッと一華さんを見れば、優しく微笑まれてしまいました。
……む。仕方ありません。
道案内も少し自重しましょう。
先生に任せるなり、他の方と一緒に行くなりして。
自分の中で答えを導き出した所で、二つ目を復唱します。
「一つ。なるべく一人で行動しない事。誰か信頼の置ける人と一緒に行動すること」
これは、なかなか難しいですよ。
私は学年一位の特典で授業免除を戴いていますし、依頼をこなすためにも動かなければなりませんし。
その為に誰かをサボらせる訳にはいきません。
それを訴えようと一華さんを見れば、再び優しく微笑まれてしまいました。
……今回生徒会の改革が終われば、生徒会と協力することを約束して頂けましたし、そうすれば一華さん達とも普通に会えますよね。
確か、風紀委員も授業免除だった筈ですから、その際は誰かに付き合っていただきましょう。
約束事を決めたのは一華さんですから、一華さんに責任をとっていただくという事で。
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