まぁ、トップに立った方が色々とやりやすいでしょう?

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「何かご意見がある方はどうぞ」 今は、無事に会議を終える事を考えなければなりません。 実は親衛隊では週一回に会議を開き、報告をすることになっています。 しかし、生徒会に興味のない私にとっては苦痛にも感じる時間です。 会長様は今日もかっこいい。 副会長様がくしゃみをされた。風邪ではないか。 全部どうでもいいような内容でしたので、ほぼ忘れてしまいました。 まぁ、似たような内容でしょう。 よくそこまで他人の事を気にできるものだ。と最初は感心したものです。 「はい、氷城様!!」 何も意見が無いと思っていたのですが、今日は違うようですね。 手を挙げた人物を見ると、会長の親衛隊副隊長。 真鍋 夢人(まなべ むと)でした。 さらさらの茶色がかった髪に、くりくりしたアーモンド型の大きな瞳。 愛らしい顔立ちの少年。 私と同じ高等部一年生です。 「はい、どうぞ」 「実は、近々転校生が来るという噂を聞きました。何か対策を考えた方がいいと思うんですけれど……」 「転校生ですか」 こんな微妙な時期に珍しいですね。 まだ始業式が始まってから一週間も経っていないのに……。 「とりあえず、転校生が来てからは様子見ということにしておきましょう。 相手も分からずに対策を練るのは難しいですから。それでもよろしいですか?」 「はい、了解しました」 元気な返事と愛らしい笑顔。 思わず頬が弛みました。 途端に周りにいる人の顔が紅く――集団風邪ですかね?  
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