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沈黙はしばらく続きまして、その間ずっと見下ろされていました。
目をそらすのも失礼かと、私もじっと見上げていたのですが……よく考えてみると、それも失礼かもしれません。
睨んでるように、見えるかもしれないですし。
そうですね、まずは目をそらしましょうか。
そして、手は振り払いましょう。
そう決めて、目をそらそうとした瞬間――
「……いいな」
「は?」
ぼそりと呟かれた言葉に、意識をそらされてしまいました。
一体何が、いいな。なのか聞く暇もなく―…
気づけばぐるりと世界が回って、目の前に広がるのは白い天井に変わっていました。
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