15172人が本棚に入れています
本棚に追加
―楓side―
「お、おいっ、待て――!!」
「待ちなさいっ!!」
パタン――…
俺達が声をかけたにも関わらず、彼は立ち止まらずに出ていきました。
残されたのは、俺と伊賀先生――保の二人。
……何ですか、あれは?
生徒会会長の親衛隊隊長であり、生徒会親衛隊の総隊長。
名前は――氷城でしたか。
綺麗な顔はしてるものの、無表情で近寄りがたい雰囲気が漂っていて。
それを黒縁の眼鏡が冷たく見せている。
……それなのに、あの小さな親衛隊副隊長に見せる顔は優しかった。
俺が会長ではないからかも知れないですが、
少なくとも俺が会長と一緒にいる時に、あんな顔を見たことはない。
「あんな……」
――って、俺は何を考えてっ!?
今、俺が気になってるのは萌です!!
そう、あんな淫乱で最低な総隊長なんて気にしている場合じゃありません!!
そうです。お昼休みにでも、萌に会いに行きましょう。
そう考えただけで、温かい気持ちになります。
思わず笑んだ時――
最初のコメントを投稿しよう!