15170人が本棚に入れています
本棚に追加
何か言いたそうに夢人が此方を睨んできますが、全然怖くありません。
どうやら、自分の可愛らしさに気づいてないようですね。
じっと見てくる夢人に笑い返すと、顔を真っ赤にして反らしてしまいました。
「――っ!! て、てかさ、いつも思うんだけど。雪、その格好暑くないの?
うちの学校の制服、ただでさえ執事服みたいなんだからさ。
黒手袋なんてしてると、余計に執事みたいだよ?
……まぁ、そこが萌えるけど。ボソッ」
確かにこの学園の制服は少し変わっておりまして、執事服のようです。
それに黒手袋をしている私は、さぞかし執事に見えるのでしょうね。
更に、まだ夢人にも話していないのですが、実は少々変装をしています。
「ねぇねぇ、雪!!実は変装してたりしないっ?!」
「……何でわかったんですか?」
「マジでっ!?髪は?髪は、銀髪だったりするのっ?!」
「いえ、白髪ですが……」
「白髪?いや、それも有りか。ふっ、行ける、行けるぞおおおおぉぉぉっ!!」
何が行けるのか知りませんが、五月蝿いですね。
叫ぶ声に耳を塞ぐ私に、夢人がキラキラした瞳で詰めよって来ます。
「ね、ね、瞳は?瞳はどんな色っ!?」
「それは――」
思わず言い淀んでしまいました。
これでは、何かあると言ってるようなものです。
「青と赤ですね」
「オッドアイいぃぃぃっ!?ふふっ、来た、来たあああああぁぁっ!!」
どうやら、夢人は気づいていないみたいです。
しかし、変な妄想をされていそうですね。(苦笑)
最初のコメントを投稿しよう!