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「夢人、頼みますから私で妄想するのは止めて下さいね」
「え!?ま、まさか!!友達で妄想するなんてジュル――有るわけないだろ!!」
「だったら、そのヨダレはなんですか?」
「だ、だって――黒縁眼鏡毒舌執事とかっ」
「何ですかその呪文?それに私は執事じゃありませんよ」
誰かに従うとか、死んでも嫌ですから。
途中殺りかねませんし……ね?
「ごめん雪、俺が悪かったからっ!!」
ん?何故か夢人が涙目でこちらを見ています。
大きな瞳をうるうるさせて。
もしかして、凶悪な顔してました?
「でもな、雪……仕方ないんだよ。俺の妄想は、俺自身にも止められないんだっ!!」
「自信満々に言い切らないで下さい」
何故か誇らしげな様子を見ると、どうもこりていないようです。
まぁ、実際無理でしょうけれど。
どうやら、私が諦めるしかないようですね。
はあー。
思わずため息を吐き出した所で、ザーッという音が聞こえました。
恐らく放送前の、スイッチが入った時に聞こえる音でしょう。
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