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校門の周りにはたくさんの桜の木が植えられていて、まるでその鮮やかなピンク色を俺達に見せつけているようだった。
門を潜り、辺りを見回すと人だかりができている所があった。
おそらく、クラス分けが書かれた紙でも張り出されているんだろう。
「俺達も行こうぜ」
「そうだね」
そう言って見てみると、案の定クラス分けが書かれていた。
A~I組までの9クラスが紙の上段に横一列で書かれていて、クラスの下に五十音順で名前がずらりと書かれている。
「1クラス42人なんだな」
「そうみたいだね。9クラスあるから、合計378人?多いね」
「まあ、この学校そこそこ人気みたいだしな。……お、あったあった。俺はB組の34番か」
「俺もB組だよ。ちなみに31番」
「またお前と同じクラスかよ……」
「だね…ここまでくると、少し気持ち悪いな…」
「全くだ」
龍之介と10年連続で同じクラスということに飽き飽きしながらも、俺はある名前を探していた。
「うお…あいつもB組か…」
「え?…あー…」
俺の言った意味に気付いたのか、遠い目をする龍之介。
「また、あいつと一緒かよ……」
「あら、ごめんなさいねーまた一緒で」
「本当だよ……え?痛っ!!」
聞き覚えのある声がして振り向こうとしたはずなのだが、首は動くのに体ごとは動かない。
どうやら、全力で足を踏まれているようだ……。
「ったく、見かけたから声かけようと思って来てみたら、何よその言い草」
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