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いつもモテてたのは龍之介の方だった。
龍之介はベビーフェイスで可愛い系のイケメンだし性格も良いから、高校でもモテるんだろう。
そうなると、ラブレターは俺を経由することになるんだよな…。
「智輝?何沈んでんの?」
「いや…」
中学の時はよく友達に『お前、ホント可哀想な役回りだよな』って言われたっけ…。
「マジで大丈夫か智輝?」
「うるせえ!!大丈夫に決まってんだろうが!!」
「え…?なぜ逆ギレ…?」
「うるせえ!!」
その時、俺の頭に手が乗せられた。
どうやら、由夏が俺の心境を察したようだ。
ニヤニヤしながら俺の頭撫でてやがる。
「止めろよ…」
「いやー智輝があまりにも可哀想だからさー」
「はあ…」
今日は入学式だっていうのに、晴れ晴れした気分にはなれないみたいだ。
そうこうしてる内に体育館に着き、入学式は始まった。
淡々と新入生の名前が呼ばれ、呼ばれた生徒は返事をして起立することの繰り返し。
「新島智輝」
「はい」
俺もよばれて席を立ち、その体勢で長い時間待ってようやく全員の名前が呼ばれた。
「みなさんの入学を許可します」
校長先生が壇上に立ってそんなこと言ったけど、これ意味あるのか?
逆に『許可しません』とか言ったら大問題だろ!!
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