均衡

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2002年の1クォーター目が終わって、一息入れる期間。 ここまでは別に特別でもなんでもない。 なるようになってただけ。 長い春休みは有意義だった。リセットするのには最適。 ひたすらに、自分の顔や左手や足を描いた。 なんでこんなに変なかたちをしているんだろうと思いながら。 だいいち左右で形が違う。 世の中で美しい顔といわれている人の顔は左右対称…シンメトリーに近いらしい。 人間は感覚的にシンメトリーを美しいと判断する。 それは顔だけじゃなく、目に見えないものにもいえることなのかも。 たとえば『心』とかね。 高校を卒業したことで、ひとつ大人に近付いた気がしていた。 均衡がとれたもの。 そういう風になれたらいいのに。 これから、どうせ変わっていくのなら。
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