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「そうね、ここからだとベロッラ王国にある国営ギルド《天使の加護》が近いかしら。」
「ベロッラ王国ね~。そこまでコレをどう運ぶか」
「空間属性の魔法は?」
「生憎、今は使えない」
あのアホ師匠のせいで封印されちまってるからな。
「そうね。でも大丈夫」
「ん?何で?」
「私、使えるから」
「そうなのか?というより、ルルは何属性使えんの?」
「全属性よ」
ルルは相変わらずの無表情で胸を張って言った。
「マジか……」
本当に優秀だなおい。今いる天使でも全属性使えるやつは数える位しかいないのに。
「『箱(ボックス)』」
そう唱えて魔物の死骸を空間の破れ目に放り込む。
「よし、ルル、ベロッラ王国はどっちだ?」
漠然とした問だがルルは人差し指で南東の方角を示す。
「おおよそ七日ね」
「ふーん、そんなもんか」
七日ね。ダレル王国に比べたら断然近いな。
ルルの事でこの村に長居は出来そうにないし、とっとと出ましょうかね。
「よし、必要な物を買って直ぐに出るぞ」
「わかったわ」
ルルはこちらをみて頷く。
さて、まずは食料から買いに行くかな。
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