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「……はぁ……まぁ良いわ。今に始まった事でもないし……」
紫さんをジト目で睨むように見ていたが、諦めたように肩をすくめる霊夢さん。今までどれ程の人が紫さんに巻き込まれたのだろうか……。
「ちなみに、貴方の能力はどんなものかわかる?」
「あー……わからないです。紫さんもわからないって言ってますし……正直役に立たないようなものだと思います」
能力自体、発現した時も気付かなかったというか、わからなかったし……あんまり気にも止めてないからなぁ……。
「少なくとも、幻想郷に既存する能力ではないわね。それしかわからないけど」
「……?」
頭にハテナマークを浮かべている僕を見兼ねたのか、溜め息をつくとゆっくり説明、というより能力について少し教えてくれた。
「能力っていうのは同じものが二つも存在する事はないのよ。というよりできないの。理由はわからないけどね」
「なるほど……」
自分のイメージ的な何かが能力として形になるからだろうか。まぁそこいら辺は霊夢さんでも知らないのなら、僕は何も言えないけど。
「……ところで、ここに何の用かしら?わざわざ参拝に来た訳じゃ無いわよね?」
「単刀直入に言うと、有日をここに住ませて欲しいのよ」
ばっさりと言い放つ紫さん。それに対して大きく溜め息をつく霊夢さん。
「まあ、そんな事だろうと思ったわよ……。別に良いわよ。部屋は沢山余ってるし、悪い人では無さそうだし」
「……霊夢さんって、ここに住んでるんですか?」
何か話を聞いてると違和感がした為、質問してみる。すると霊夢さんはキョトンとした顔で僕を見て、呆れるように言う。
「え……?知らなかったの?というより私巫女なんだから当たり前じゃない」
当然のように言われる。
知らないも何も、まさかこんな神社に一人で暮らしてるなんて……普通思わない。
「……ゆ、紫さん……霊夢さんと二人でここに住むんですか……?」
「そうよー?」
軽く言い放たれる、衝撃の真実。
この人に関しては、にやにやしながら当たり前のように言う辺り、狙っていたに違い無いだろう。
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