第一話「幻想郷へ」

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「……はぁ……まぁ良いわ。今に始まった事でもないし……」 紫さんをジト目で睨むように見ていたが、諦めたように肩をすくめる霊夢さん。今までどれ程の人が紫さんに巻き込まれたのだろうか……。 「ちなみに、貴方の能力はどんなものかわかる?」 「あー……わからないです。紫さんもわからないって言ってますし……正直役に立たないようなものだと思います」 能力自体、発現した時も気付かなかったというか、わからなかったし……あんまり気にも止めてないからなぁ……。 「少なくとも、幻想郷に既存する能力ではないわね。それしかわからないけど」 「……?」 頭にハテナマークを浮かべている僕を見兼ねたのか、溜め息をつくとゆっくり説明、というより能力について少し教えてくれた。 「能力っていうのは同じものが二つも存在する事はないのよ。というよりできないの。理由はわからないけどね」 「なるほど……」 自分のイメージ的な何かが能力として形になるからだろうか。まぁそこいら辺は霊夢さんでも知らないのなら、僕は何も言えないけど。 「……ところで、ここに何の用かしら?わざわざ参拝に来た訳じゃ無いわよね?」 「単刀直入に言うと、有日をここに住ませて欲しいのよ」 ばっさりと言い放つ紫さん。それに対して大きく溜め息をつく霊夢さん。 「まあ、そんな事だろうと思ったわよ……。別に良いわよ。部屋は沢山余ってるし、悪い人では無さそうだし」 「……霊夢さんって、ここに住んでるんですか?」 何か話を聞いてると違和感がした為、質問してみる。すると霊夢さんはキョトンとした顔で僕を見て、呆れるように言う。 「え……?知らなかったの?というより私巫女なんだから当たり前じゃない」 当然のように言われる。 知らないも何も、まさかこんな神社に一人で暮らしてるなんて……普通思わない。 「……ゆ、紫さん……霊夢さんと二人でここに住むんですか……?」 「そうよー?」 軽く言い放たれる、衝撃の真実。 この人に関しては、にやにやしながら当たり前のように言う辺り、狙っていたに違い無いだろう。  
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