707人が本棚に入れています
本棚に追加
「もう絶対しないから」
「そう言って何回も裏切ってきたじゃん」
「本当にもうこれで最後だから」
「………約束だよ?」
「あぁ。これが最後の約束」
将紀の言葉を信じた訳じゃない。
負った傷を嘆き過ちを責める事よりも、将紀をまた信じて一緒に生きて行く方が辛いかもしれない。
だけど、また信じてみようと思えたのは、将紀の気持ちに嘘がないって思えたから。
もう、傷付きたくはないけど、私の笑顔や幸せは将紀があってこそだって、この離れていた一ヶ月で嫌ってほど思い知らされた。
将紀の胸に顔をうずめワンワンと泣いていると会場に拍手が巻き起こり、今更ながらみんなの前で恥ずかしいって気持ちになる。
だけど将紀は私を抱きしめる力を緩めないから、私もみんなの拍手を聞きながら最後の恋に終わりを告げた。
さようなら、私の恋。
さようなら、私の片思い。
これからは将紀と二人で愛を育んでいけそうだよ。
最初のコメントを投稿しよう!