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その後、みんなに散々冷やかされながらも、昔から私達を知っている友達は涙ながらに応援してくれた。
「こんな大勢の前で約束したんだから、もう絶対茜の事裏切るなよ!」
三木君が言うと、将紀は当たり前とでも言いたげな表情を浮かべ、私の手を掴んだ。
「もう絶対しないよ。悲しい想いもさせないから。」
その掴まれた手の温もりを一生忘れないでいようと、心に焼き付けた。
会場を出ると、初夏特有のひんやりとした空気に包まれ、空には満天の星が広がっていた。
「綺麗だね…」
「あぁ。」
星の一つ一つさえ愛おしく思えるのは、隣に将紀が居てくれるからなんだと思う。
「これからは、二人で色んなモノ見よう!」
変わらず私の手を握りしめたまま、将紀は目を輝かせて言う。
「色んな所行って、色んなモノ見て、色んなモノ食べて二人でいっぱい楽しい事しよ!」
「どうしたのいきなり?」
「思えば、一緒に住んでから全然そういうのしてなかったら……もっといっぱい茜の笑顔が見たいなぁって思って。」
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