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再び夜空に視線を向けると星はキラキラ輝いている。
私は将紀と居られるだけで充分だよって言おうと思ったけど、こんな綺麗なモノを二人でゆっくり見るのも悪くないかもしれない。
「そうだね。旅行とかも行ってみたいな!私達、どこにも行った事ないもんね」
「あぁ、じぁ今度の週末に行こう」
「後、あそこ行きたいっ!この前新しくオープンした駅前のイタリアンの店!」
「じゃぁ今度二人で行こう」
「後、お祭りも行きたいし、海にも行きたい。あと…あと…冬になったらボードやってみたい!」
「お前、ボードできんの?」
「できないからできるようになりたいんじゃん!」
頬を膨らませながら将紀に視線を向けると、見た事ないくらいニヤニヤしていて
「分かった。じゃぁ冬になったら二人で行こうな」
「将紀、何でニヤけてんの?気持ち悪」
思わず口にすると、将紀は嬉しそうに微笑んでそっとキスをくれた。
ほんの些細な事だけど、たったそれだけで私は胸が締め付けられるほどの幸せを感じた。
星空の下、愛おしい人と手を繋ぎ未来の話しをしながら、
10年後も20年後も……
この命が尽きるまで、こうやって二人寄り添っていけたらいいなぁなんて、思う。
「ねぇ将紀?」
「ん?」
「私の事好き?」
「あぁ、大好きだよ」
fan…
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