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「はいっ、メニュー」
「二人で
もう少し食べようか?
請求は、
成実ちゃんにまわしてさ」
そーすけさんは、
悪戯をするように
笑いながら呟くと、
次から次へと
食べ物とお酒を注文した。
レモンスカシュを
飲みながら、
唐揚げや、
揚げ出し豆腐をつまむ
私の傍で、
そーすけさんは
琥珀色の液体を、
次から次へと
飲み干していく。
飲み干した後には、
氷が音を立てて
グラスの中で響く。
そうやって……
飲み続ける、
そーすけさんが
凄く辛そうに見えて……。
「あっ、あの……」
声をようやくかけれた頃、
そーすけさんは、
ゆっくりそのグラスを
テーブルに置いた。
「ごめん……。
彩巴ちゃん、一人にしちゃったね」
「いえっ。
私はテーブルのおかず、
美味しくいただいてましたから」
そう言うと、
彼は、震えだした指先を
隠すように逆の手を添えた。
……まただ……。
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