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目を閉じれば
今も鮮明に浮かび上がる記憶。
震える記憶に怯えながら
意のままにならない
体をぎゅっと抱きしめて……
やり過ごす時間。
あの日から……半年。
新しい場所で、
新しい未来を
精一杯踏み出した。
私、藤堂彩巴
(とうどう いろは)。
今年の春、高校を卒業して
半年が過ぎたところ。
高校の卒業試験の初日、
早朝に起こった大震災。
あの日から……
全ては始まり、
あの日から……
今に繋がってる。
それはわかってるのに……
その出来事が
今も深く傷を残す。
そして……
それが、私のこの先の未来まで
大きく影を落としていくなんて
この時の私には知るよしもなかった。
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