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「どうもどうもご指名ありがとうございまして。安岡圭介と申しますであります」
頭に手をあて、敬礼のようにしてみせる安岡。
なんだろう、対応しにくい。
「私は岡元春奈。よろしくね安岡君」
「五十嵐拓斗だ。よろしく」
一言挨拶を終えると、安岡はオレの隣に座った。それから変な口調を続けて周りにも挨拶を繰り返す。
クラスのムードメーカーにでもなりそうだな。
「変な人だね」
「ああ、変だ」
聞こえないようにボリュームを最低限に抑えたつもりだったのだが、どうやら安岡に聞こえたみたいだ。その証拠に、ヘラヘラした態度でオレに訊いてきた。
「変……? 僕ちん変ですかいな?」
「ああ、多分人生初の変な奴だ」
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