懐かしいアナタ

7/18
前へ
/132ページ
次へ
「どうもどうもご指名ありがとうございまして。安岡圭介と申しますであります」 頭に手をあて、敬礼のようにしてみせる安岡。 なんだろう、対応しにくい。 「私は岡元春奈。よろしくね安岡君」 「五十嵐拓斗だ。よろしく」 一言挨拶を終えると、安岡はオレの隣に座った。それから変な口調を続けて周りにも挨拶を繰り返す。 クラスのムードメーカーにでもなりそうだな。 「変な人だね」 「ああ、変だ」 聞こえないようにボリュームを最低限に抑えたつもりだったのだが、どうやら安岡に聞こえたみたいだ。その証拠に、ヘラヘラした態度でオレに訊いてきた。 「変……? 僕ちん変ですかいな?」 「ああ、多分人生初の変な奴だ」
/132ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加