懐かしいアナタ

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気だるい入学式も終え、クラス分けの貼ってある一年の教室前へと足を運ぶ。 「あ、たーち──五十嵐君の名前あったよ」 「え、どこ?」 「私と同じB」 出席番号二番──五十嵐拓斗。出席番号七番──岡元春奈。どうやら本当に同じみたいだ。 「ほほう。噂の安岡圭介も同じクラスのようでありますようで……」 オレと岡元の間からひょっこり顔を出す変な安岡。 癖毛なのか寝癖なのか、所々跳ねている髪の毛。近いから、やけにチクチクしてくる。 「とりあえず席に座ろうぜ」 「アイアイサー」と安岡。 釣られて岡元も敬礼のポーズをオレに向けてみせた。
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