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「たーちゃんは何か部活に入るの?」
「ん、ああ」
そんなの、決まってる。決まっているとも。
──柔道部だ。
あの、人を投げる快感。自分より重い奴、大きい奴、強い奴を畳に投げつける爽快感。何よりも、一人で闘うってのがいい。
「ま、どーせ、たーちゃんは柔道部だろうけどね」
「たーちゃんはやめてくれ。オレには五十嵐拓斗って名前があるんだから」
そう言うと岡元はふて腐れて「えー」と洩らす。
「これからは苗字で呼べよ? わかったな?」
「へーい……」
高校生にもなって、たーちゃんは恥ずかしい。学校で呼ばれたら絶対笑い者にされるはずだ。
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