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少し茶色がかった髪は綺麗に肩で揃えられ、クリっとした大きな眼は薄い紺色をしている。
まだ幼い華奢な身体には、黄色をベースにして小さな蝶の模様が施された着物を纏っている。
髪型や服装などから、なんとも可愛らしい人形のような雰囲気を醸し出していた。
「…おはよう。季蝶。(キチョウ)」
頭を下げたまま、どうしていいのか分からない様子の女の子に、桜華は優しく笑いかけながら声をかけた。
恐る恐ると言った様子で、ゆっくり顔を上げた季蝶と目が合う。
大きな瞳に涙をうっすら溜めながら、
『…すいません。』
と、小さく呟いた。
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