Encounter

4/14

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
「あんた、家(ウチ)の前に倒れてたんだよ」 綺麗な人が壁にもたれかかってそう言った。作業着を着てる男の人は「は?」って言う顔をしながら、目線だけを私と綺麗な人と交互に見る。 「ちょっと転んじゃって・・・」 「へー、ドジなのね。で、何高?」 「あ、中三です。南中(横浜私立南中学校)・・・です」 「ああ、ごめんね。・・・?南中??飛鳥、お前南中じゃなかった?」 「そーだけど」 「学校まで送ってってやんなよ」 「は?」 「あ?」 「・・っち・・わーったよ。着替える」 「サンキュー、じゃあ君、こっち来て」 「あ、はい」 綺麗な人に手招きされて、私は部屋を出た。この部屋の向こうはリビングだった。 「レジ、空だからレジ行くよ」 「はい」 その人について行くと、カーテンがありその向こうには酒屋のレジがあった。 「名前は?」 近くにある椅子に腰掛けて足を組みながら私に問いかけてくる。 「美実・・・夢乃美実です」 「美実?・・・へー美実ちゃん。あたしは恵梨子(エリコ)。あっちにいる無愛想なのは弟の飛鳥(アスカ)」 「恵梨子さん・・・?あ、ありがとうございました!」 「気にしないで・・・で、学校行ける?家帰る?」 「学校行けます・・・って言うか送らなくて良いですよ!?」 「あいつ暇人だから大丈夫よ」 「・・・でもですね」 あんな嫌っそーな顔してたし・・・。気まずいよーう。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加