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「え、えーっと、一年B組の仙田拓斗です。中学の時は柔道部でした。得意技はパロ・スペシャルです!」
アンズを見る。
無反応。
「不合格。腕立て三百回!アンズは別に武闘派じゃねぇからそういうボケは通じねぇぞ。だが俺個人的にはバカウケだ。はい次!」
「あ、一年F組の伊藤浩介です。新歓でのアニー先輩にシビレたので入部を決めました!攻めか受けかで言うと受けです!よろしくお願いします!」
若干寒気を感じながらアンズを見る。
溜め息。
「不合格!腕立て三百回!文学少女だからってそういうの好きだと思ったらそれは偏見だ。はい次!」
「オス!自分は一年E組の飯田雄大ッス!小学生の頃から空手やってるッス!腕っぷしには自信があるッス!攻めか受けかで言うと断然受けッス!」
アンズを見る。
小さく舌打ち。
「不合格!アンズの反応見るまでもねぇよ!お前馬鹿だろ!?だが俺個人的には逆に面白かった。腕立て三百回!次!」
「僕の名は安岡祐一。番長、あんたを倒す男だ!」
「ん?終わりか?」
「あ……因みに攻めか受けかで言うと受けです」
アンズを見る。
無反応。
「腕立て三百な。次」
「一年A組佐伯敬。中学時代は剣道部に所属していました。中学の剣道部は部員も少なく、同じ武道場で練習するということもあって、男女合同の部でした。二年の夏、先輩が引退し新たな部長を決める際、僕は男子の中で一番強かったので、部長に推薦されました。ですが、女子の中には一人、個人戦で県大会を優勝するほどの実力者がいたのです。代々男子が部長をするのが伝統でしたが、彼女は男女関係なく規格外の強さで、彼女が部長になるべきではという意見も出ました。ですが、女子に部長を任すということは、部での男子の威厳が薄くなってしまうのは明確です。なので僕は、試合をして勝った方が部長をやろうと提案しました。僕は負ける訳にはいかなかった。男子全員の期待を背負い、今まで一度も一本すらとったことのない彼女に立ち向かいました。ですが結果は、十秒ともたずに僕の二本負けです。僕はその屈辱以来、どうにも女子が苦手になってしまいました。以上のことを踏まえて、攻めか受けかで言うと受けです!」
結果、入部希望者全員が、床に手をつき腕立て伏せをすることになった。
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