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「うおおおおおお!」
雄叫びと共に左足で床を蹴り、右足で舞台上に着地。
更にもう一歩左足を踏み込むと、須藤とのベストな間合い。
「歯ぁ、食いしばれぇ!」
そのまま左足を軸にして腰を捻り体を落とし、遠心力を利用して須藤のこめかみにハイキックを叩き込む。
須藤は回転して吹っ飛んだが、両手両足を床につけ、獣のような姿勢で受け身をとった。
くっ、流石はラグビー部の狂犬須藤。運動神経が並外れてやがる。
「おっせぇぞ番長ぉ!オレァもうキレちまったんだよぁ!ブチギレのギレッギレなんだぜぇ!」
「分かってる。だから止めに来た。安心しろ。お前はこの俺が、絶対に止めてやる!」
「ならさっさと止めてみろやぁぁ!」
須藤は前傾姿勢のまま、俺の腰にタックルを仕掛けて来た。
「ふんっ!」
『おおっとアニー、須藤のタックルを避けずに正面から受け止めたぁー!流石は才上学園の番長、武田アントニオ!この規格外の肉体に受け止められないものはないのかぁー!?』
俺が舞台上に乱入すると、すかさず生徒会副会長の梅田がマイクを手に取り実況を入れた。
流石副会長、ナイスフォローだ!
「うおおお……っらぁぁ!」
俺はそのまま須藤を抱え、一回転してから前へ向かって放り投げた。
「けはっは!やるなぁ!だが、無駄無駄ぁ」
須藤が受け身をとれることは分かっていた。
だから俺は須藤を投げた直後、両足で踏み切り、落下点目掛けて足から突っ込んだ。
「食らえええええ!」
「ごふぁっ!?」
『決まったぁー!アニーの十八番、ドロップキック直撃ー!須藤、豪快に吹っ飛んだぁー!今度こそ受け身をとれないー!』
俺はすかさず逃げようとする須藤の背中に飛び乗り、両足を右膝で押さえ、両手を右手で封じ、空いた左手で頭を床に押し付け、完全に須藤の体の自由を奪った。
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