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「おいおい、青春ドラマ繰り広げてる場合じゃないって!お前ら早くそこ退いて。急遽予定変更してこの次軽音部いくから。一度幕下ろしちゃったの誤魔化すには、いきなりライブ始めるのが効果的っしょ」
梅田率いる生徒会役員達に攻め立てられるように、俺達は舞台袖へと散らばった。
「おお、梅田。さっきの実況はナイスフォローだったぜ!さっすが、生徒会長から絶対の信頼を得てるだけのことはあるな」
「ああ、そうそう、今その会長が塚もっちゃんの足止めしてくれてるから、早く逃げた方がいいんじゃない?一応俺らの方でこの『武闘派部活動によるバトルロワイアル』は新入生へのサプライズ企画ってことにしとくけど、今ここで捕まるとまた面倒臭いだろ?」
「おおう、そうだな。ガチバトルやっちまったし、一応後で、『あの技は日々の鍛練によって成り立つものなので、鍛練してない人は決して真似しないでください』ってみんなに言っといてくんね?」
「いや、そういうことじゃなく……まぁいいや。今日も助かったよ、アニー。ありがとな」
「いやいや、須藤のダチとして当然のことをしたまでだって。ところでさ、文芸部が優勝しちまったけど、大丈夫だったのか、あれ?」
「いやー、文芸部にムキムキの武闘派な入部希望者が増えるだけだから問題無いんじゃないかなー」
「そっか、なら問題ねぇな!」
「てか、いい加減帰れって。塚もっちゃん来ちゃうから!」
「お、そうだった。邪魔したな!」
梅田に背中を押されるようにして、俺は体育館を後にした。
こんな感じで、俺の学校生活は毎日のどかで、時々賑やかで、ワクワクが止まらない。
新入生も入ってきたことだし、今度はどんな奴等とダチになれるか楽しみだ。
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