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鼻と鼻がぶつかりそうなほどの距離に先輩の顔があった。
先輩は目をとろんとさせて、口の端を上げて笑っている。
「日比野ちゃん、いつまで俺のことジラしてんの?」
「え、な、何がですか」
さっきまでお酒に酔ってボーッとしていた頭が、きゅうに冷えていく。
頭の中には警鐘が鳴り響いていて、私はさらに先輩から距離をとった。
しかし先輩はそんな私の腕をつかむと自分のほうへ引き寄せ、私の肩に腕を回してきた。
「もういいって! サークル公認の仲なんだしさぁ、俺らってそろそろじゃぁん?」
何がそろそろじゃぁんなのかがよく理解できないが、とりあえずさっさと逃げたほうがよさそうだ。
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