運命の出会い

2/3
前へ
/3ページ
次へ
カーン。カーン。カーン。 電車の音だけが聞こえる。 ここは、A高校1年B組8席の机。窓側の席に私は座っている。 今日はA高校の入学式があった。入学式はとっくに終わり、教室には私意外の誰もいない。 今、電車の音が聞こえる方向に太陽が沈みかけているのが見える。 ここ、A高校は今年で100周年をむかえるらしい。この高校ができてから100年の間、1度も建物を直したことはないので、建物には100年という長い歴史の面影が残っている。 腐りかけている木の、けして良い香りではないが、どこか懐かしい香り。ところどころに傷の入った大きな黒板。 初めて来たところのはずなのに、私はこの学校のどこか懐かしいところが気にいった。だからこうして1人で帰らずに教室に残っているのだった。 そろそろ帰ろうかと思って、机の整理整頓を始めようとしたその時、教室の前のドアがあいた。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加