5人が本棚に入れています
本棚に追加
/86ページ
アオのように、戦で家族を失った人はたくさんいました。
そんな人々は、肩を寄せ合って生きていました。
しかしアオは、そんな人々とは一緒に生きさせてもらえませんでした。
アオは、除け者にされたのです。
初めは諦めずに人々に話し掛け続けていたアオも、時が経ち、誰もが"何故か"自分を避けることに気がついてしまいました。
そしてアオはこう思ったのです。
"あぁ、自分はここに居てはいけないのだ"と。
アオは、人々の許を去りました。
昔々あるところに、一人の女の子が居ました。
名前は『アオ』。
彼女は昔の名を、もう覚えていません。
彼女は、自分が『アオ』であることを受け容れ、独り静かに塔の中で暮らしています。
最初のコメントを投稿しよう!