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なんとか妹…凛花をノーマリターが住む『壁』の外、町に連れて行ってなだめる事が出来た。
家族と離ればなれになっていた、凛花はいつも元気がなかったと向こうに住むお婆ちゃんが言っていた。
買い物の帰り道に、俺は凛花に言った。
「凛…寂しい思いさせてごめんな」
凛花は驚きの顔しながら、振り返ったが、すぐに笑顔で言った。
「ありがとう、お兄ちゃん!」
凛花の満面の笑顔を見た俺は、つられ笑顔になった。
だが凛花の笑顔を見るのが、最後になるとは俺は思ってなかった。
「ちりりりん!」
いつもと同じ朝がやってきた。
ベットは鈴と凛花が使っていて、俺はソファーで寝た。
だがいつもと違う事が始まる…
「ぱりん!」
何かの割れる音で眠気が完全に覚めた。
「鈴さん、どうしたんですか?」
キッチンを覗くといつも通り鈴さんが立っていた…だが鈴さんの様子がおかしいので、どうしたんだろっと思っていると、鈴さんの目線が小型スクリーンテレビに向けていた。
俺も鈴さんの隣りに立ち、テレビを見た。
いつも通りのニュースがやっていたが、俺はそのニュースの内容に絶句した。
「政府は増え続ける、能力者の犯罪に対し、今日正式に能力者の処分を決定しました」
鈴さんの体が震えていた。
「ど…どういう事だ!政府が俺達を処分だと!?」
俺達…いや全能力者が政府の独断決定した、能力者の処分について絶句した。
「政府直属のGX部隊が、各能力者用居住区に展開され、明日攻撃をする事を決めました。
それでは能力者の皆さん、お元気で」
アナウンサーをしていた、女性はにこっと不適に笑った。
「き…京介くん…」
鈴さんが不安と恐怖で泣いていた。
「私達何もしてないよね!?何で処分されないといけないの…」
鈴さんはその場にへたれこんだ。
「くっ!何だってんだよ!」
俺は壁に思いっきり殴った。
「ねぇ、お兄ちゃん…私達死ぬの?」
妹との凛花までも、恐怖で泣いていた。
辺りでは罵声や鳴き声などが聞こえた。
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