1人が本棚に入れています
本棚に追加
「由利を返せぇ!」
ユージは敵の隊長に向かって、風の剣を出現させ、斬りかかった。
ユージの風の剣は隊長の機体に見事命中した…だが、あの機体の装甲の前では傷1つついていなかった。
「由利ちゅん~、暴れないでね~」
隊長は優しく答えた、でも顔は『優しい』といえる顔ではなかった。
「話せ、このデブ!!」
由利という女性は、左手をあげた。
突如彼女の左手に光が集まりだした、そして隊長の機体の腕に向かって、光属性の能力を放った。
激しい爆発音が広場に響き渡った。
由利が放った能力の爆発煙を使い、隊長の機体から、ユージが由利を助け出した。
「大丈夫か、由利?」
「大丈夫だよ、ユージは?」
「大丈夫だ」
ユージと由利が話している所を眺めていた、隊長は顔が怒りと殺気で道溢れていた。
「このクソ女が…俺の『ベインシュバルツ』に傷を付けやがって!」
由利は隊長の顔を見て、ひっ!と悲鳴をあげた。
「総員射撃準備!」
隊長が告げると、回りにいた部下達は荒々しい気を放つ、そのライフルを持ちあげた。
GXの銃は、能力の防御アビリティが発動した時の為に、貫通力と破壊力のある特別な弾を使用している。
その弾が装填されているライフルが今由利に向けられていた。
そして…
「由…」
庇おうとしたユージの目の前で、隊長が発砲した弾に続き、部下達も発砲した。
着弾地である、由利のいた場所は発砲された弾によって深く抉られていた。
そこには、由利の姿はなかった。
「ゆ…由利…嘘だろ?何でお前が…」
ユージはその場で崩れた。
そして…
「ゆるさねぇ…お前達だけは!」
ユージの体が輝き、まばゆい光がその場にいる全ての者を眩ました。
「くっ!何だ?」
俺は視界が回復するのを待った。
視界が回復した俺の前にいたのは、先ほどのユージと違い、テレビで見た事のある、俺達の極限状態『リミットブレイク』状態だった。
「…力が、みなぎる…」
ユージは両手を重ね、地に強くついた。
「閃風!ルインバースト!!」
風がGXを飲み込み、爆発させた。
「この属性…まさか、ユニゾンだと!?」
隊長は驚きの顔を見せた…だが先ほど攻撃された機体を見ると、動揺が消えた。
なぜなら、機体が無傷ではないが、残っていたからだ。
「総員攻撃開始!」
隊長機と回りの機体が一斉に攻撃した。
その時、ユージは防御をしていなかった。
その変わり笑っていた。
最初のコメントを投稿しよう!