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サイコロを振った結果、東家・癒月、南家・涼子、西家・浜名勝利[はまなしょうり]、北家・福井夕夏[ふくいゆうか]となった。
「東南戦25,000点持ち、喰い断あり。トビはなし」
癒月の左隣に座る夕夏は、淡々と呟いて、自動卓によって積まれた山から牌を取っていく。
[東一局]
癒月もまた、同じように牌を取っていく。
ドラは八索。
(索子ばかりの二向聴……。清一色が狙い目かな)
癒月は数秒考えたのち、連風の東を場に捨てた。
次に、涼子が自模ってきた牌を加え、にやりと微笑んだ。
同じく東を、場に横にして捨てた。
リー棒と共に。
「リーチだっ!」
カラン、と卓の上で千点棒をは音を立て、二回ほどバウンドして静かになった。
「荒井先輩、いきなりダブリーですか……」
はぁ、と溜め息を吐いた勝利。
安全牌など、ダブリーでは察することはできない。
一拍置き、勝利は東を場に出した。
四風連打。
強制的にその局を流局に持ち込もうとしての行動だろう。
チラッ、と三年生である夕夏を見やり、アイコンタクトを取った。
「残念だけど、私もリーチ」
夕夏にとっての自風である北を捨て、リー棒を場に出した。
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